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ブタがいた教室




監督:前田哲/新宿武蔵野館/★4(70点)
本家公式サイト

二度と小学生には戻りたくない、と思った。戻れるもんじゃないけど。
子供には酷な話ですよ。
ツマブキ君(<いい演技していたと思う)はにこやかな顔した悪魔ですよ。
子供たちがこんなに悩み苦しんでるのに、当のブタは呑気にブヒーとか言ってるんですよ。
つーかこのクラス、戦争になっても不思議じゃないよね。

大人でも難しい論題だとも言えるけど、まあ、大人は個々人が確立した思想を持ってるからね。もっとも、結論を一つにまとめようとすると無理があるだろうけど。
例えば、ウチのヨメの友人二人の話をすると、一人は野良猫を見ると「可哀相」に思って施したくなるそうなんです。一人はホームレスを見ると「可哀相」に思って施したくなるんだとか。そしてヨメ(と私)はそんな二人を偽善者だと思っている。募金はするけど施したくもないし、自分も施しを受けたくもない。
大人だって、こんな感じですよ。
要するに何が言いたいかというと、「命」の問題より「可哀相」って概念を巡る問題のような気がしたんですわ。

映画として良くできてると思うのは、前半、子供たちの笑顔だけを切り取っていくんですね。
テンポ良く本題に入り(設定説明を済ませ)、子供たちとブタの絆を「笑顔の積み重ね」で観客に印象付ける。これが弱いと後の討論に説得力がなくなってしまう。

さらに言うと、教室外の出来事=父母や家庭での会話も当然発生するわけで、そうした描写も過不足なく(比重が大きすぎず少なすぎず)バランスがとれている。
ブタの引き起こす騒動も、過剰なオモシロエピソードなどではなく、適当な範囲。
本来なら、クラス内に冷めた子(ブタを飼うことに否定的な子)がいてもいいと思うんだが、そうするとラストへ向けて解決すべき別の課題が発生してしまう。

要するに、全てが「教室での討論」に向けて、バランスよく配置されていると思うのです。
(転校生のエピソードはあまり活かせていたとは思えないけど)

ただまあ、内容に関しては、何かで読んだ「これは教師のリードミスではないか?」という論調も一理あると思うし、
「映画は女優で観る」「ガキ映画大嫌い」の秋本鉄次だったかな、彼が「悩め悩め。ガキども甘やかすな」「あるべき教育の姿。そもそも、カエルの解剖もなし、騎馬戦もなし、なんて過保護な今の学校が間違ってる」という論調も一理あると思う。

いずれにせよ、俺自身はこうした「正解のない討論」に参加したくないなあ。

2008年11月1日公開(2008年 日活)

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