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その土曜日、7時58分




監督:シドニー・ルメット/飯田橋ギンレイ/★3(52点)本家

仲のいい兄弟だこと
強盗ってのは、コントの設定にもよく用いられるように、実は話が作り易い。
要するに、犯罪というのは設定し易い「非日常」であり、中でも強盗は殺人に次ぐ人気の(?)設定とも言えるのです。
だからと言って、この設定を否定する気は全然ない。むしろ好き。
狙う店などはユニークで面白い。この手の時間軸の交差も好き。

でも、全体的にどうも重すぎる気がする。
正確には、犯罪の軽さと描きたい物の重さが釣り合ってない気がする。

「まず事件ありき」の構成とこのショボイ犯罪は(結果が重大になっただけだ)、「人間はおかしくてかなしい」というポイントに主眼を置いたコーエン兄弟みたいなクライムコメディーが似合っていたような気がする。

一方、最終的に描きたかったと思われる「家族の物語」※といった重いテーマなら、それは『砂の器』であるべきだったと思うのですよ。
それは、時間軸の操作もさることながら、“視点”の問題じゃないかとも思うのです。

(※描きたかった“と思われる”と書いたのは、思い返すと本当に描けているかどうかすら怪しい感じがしたから。原題がなかったら、父親の行動も解釈に苦しんだような気がしている。)

もちろん「徹底した刑事視点で!」と言ってるわけではない(そういう手もあったろうし、その方がテーマが明確だったかもしれないけど)。
ほら、最後父親視点になるでしょ。
父親視点が、もっと早い段階で一度あっても良かったと思う。
どうせ時間軸を操作して「神視点」で観客に見せるなら、例えば「父親が何か気付いているかもしれない」ともっと早い段階で観客に想起させると、もっと悲しい物語足り得たんじゃないかと思うんです。例えば、ね。

こうした、どっちつかず加減(重さと軽さが釣り合ってない)のは、ある意味シドニー・ルメットらしいと言えば、らしい気もしてきた。

日本公開2008年10月11日(2007年 米=英)117分

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