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カムイ外伝




監督:崔洋一/シネプレックス幕張/
★3(60点)本家公式サイト

驚くほどよくまとまった脚本。驚くようなCG・特撮の見せ方。びっくりした。
これは以前も書いたことだし、今後何度も書くだろうけど、
1980年代に監督デビューした撮影所出身者(崩壊した撮影所システム最後の助監督あがり)の崔洋一や滝田洋二郎、根岸吉太郎なんてのはね、細かい所が雑というか、絵作りが古臭いというか、個人的には「本当は下手じゃない?」と思ってる監督達なんです。金子修介以外は。いや、金子修介だってオーソドックスな落ち着いた演出の人ですけどね。
まあしかし、そんな洋二郎がモントリオール作品賞と米アカデミー外国語映画賞、吉太郎がモントリオール最優秀監督賞でしょ。やっぱりモントリオール国際映画祭は信用できないっ!いや、そういう話じゃないな。

そんな中、日本映画監督協会理事長(偉くなったもんだ)崔洋一は、滝田洋二郎や根岸吉太郎に比べて、映画的な“情景”が撮れる人だとは思う。
この映画でもしばしば映画的な情景を見せてくれる。ゾクゾクした。
山崎努のナレーションで始まる冒頭もワクワクした。

貧しさ故に忍者になり・・・で始まり、貧しさ故に・・・で終えるクドカンの脚本は、「身分」から「貧困」へ、「差別」から「格差」へと巧みにシフトしている。
善し悪し、好き嫌いはあるでしょうけど、実に“現代的”なシフトだと思うんです。
白土三平の描くテーマは決して普遍的なものではなく、時代性を帯びていたと私は思っています。
同じ白土三平原作の『忍者武芸帳』を大島渚が映画化(実写化ではない)したのも、60年代的イデオロギー要素があってのことだったのでしょう。まあ、観てないから知りませんけど。
そういった意味で、現代的なシフトは、実に巧みな脚本のまとめ方だったと思うのです。

しかし、映画的な情景や脚本は良いとしても、ヘッポコ特撮はいかがなものか。
どこぞで誰かが「邦画バブルでポストプロダクションの人手不足だったんじゃないか?」と書いていたが、押しに押した撮影のせいでポスプロが雑だったのかも、なんてことはないか。DVD化でCGがマシになってたら笑うけど。

ていうか、特撮自体よりも“見せ方”の問題だと思うんだよなあ。
鮫とかさあ、必殺技とかさあ、要所要所のスローモーションとかさあ・・・。
正直ドン引きしたんだよねえ・・・。金子修介だったらなあ・・・。

2009年9月19日公開(2009年 日)

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