以前ビデオで観た『グリーン・デスティニー』が、世評に反し恐ろしくつまらなかったので、この手の映画は劇場で観なければいけないんだと思っていた。
そうじゃなかったみたい。
落ち葉の中での女二人の対決は面白かった。
でもその段階でもう飽きちゃった。ついていけなかったのでもノレなかったのでもない。飽きちゃったんだからどうしょもない。
『グリーン・デスティニー』でも同じことを書いたが、どうも私の中でアクション映画とエロビデオは同じ位置付けにあるらしい。そこに至るまでが興奮の対象で、ヤリ始めちゃえば結局一緒。
アクション映画を全否定するつもりはない(だったら観に行かない)。
『修羅雪姫』でも同様の事を書いたが、「感情の爆発」が伴わないアクションはどんなに流麗でも観ていて盛り上がらない。
逆に言えば、観る者が主人公に感情移入して「がんばれ!」って気になったら、CGやワイヤーなんぞ使わなくたってアクションは面白い。
いや、むしろ、肉体と肉体のぶつかり合いの方が面白いのだ。
非現実的な飛びをみせるワイヤーアクションと過剰なスローモーションにヘキヘキ。
唯一、前述の女同士の対決だけが感情を伴っていた(一人は冷静だったけど)。だから面白かったんだな、きっと。
あ、そうか。超人伝説かあ。じゃあ人間味がなくても仕方がないですね。人を超えた超人だからね。
そうだよなあ、「中国の伝説」ってだけで大味な話だと気付くべきだったんだよ。
どこの国でもたいがい伝説ってものは大げさに伝承されてるもんだが、中国のそれは100倍増しだから。
つまり、苦悩も困難も成長もない完成された人間達が暴れ回ってるのを楽しめってんだな。ふーん。
じゃあついでに言うと、『羅生門』風の構成が面白いかっていうとこれが全然効果を上げていない。
理由は簡単。その話で振り回される人間が誰もいないから。そういう人と一緒に観客も振り回されるからオチが活きるのに。アクション同様、ストーリーにも緩急の幅がない。
万里の長城を写すラストショット。
単に始皇帝=万里の長城ってだけかもしれないが、「こんな馬鹿な物作ったくらいなんだから、こんな馬鹿な話だってあったでしょうよ」と言ってる気がしてならない。
余談
最強の武術家に異論のある方がいらっしゃるようですが、「仕事もロクに出来ないダメ人間の役だからト●ー・レ●ンで丁度いい」とはうちのヨメの談。
追記
Yasuさんのreviewで「色」の意味の正解を知る。一票(笑)。
白=真実は気付いたが、赤は「真っ赤な嘘」だと思って観ていた。マジで。この色は人物の「感情」だと解釈しても面白い。
日本公開8月16日(2002/中国=香港)1時間39分
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