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さんかく

監督:吉田恵輔/渋谷ヒューマントラストシネマ/
★3(69点)本家公式サイト

「ウザイ」と「ケータイ」。
(レビューは30男が15歳の少女に振り回されるのと40のオッサンが20歳の娘に振り回されるのとどっちが問題か問題について言及?)
AKBのナントカちゃんが同棲中の姉(田畑智子)の所に遊びに来るところから映画は始まりますが、物語はもう少し先から動き始めます。
この妹ちゃんが、東京にいる憧れの先輩から“ウザがられ”、上京の目的が終わってしまう、ある意味彼女の夏がいきなり終わってしまうところから物語が始まるのです。

要するにこの妹ちゃんは、「暇つぶし」と「好奇心」から、姉の彼氏(あおいたんの旦那)にチョッカイを出すんですね。
それも、本人無意識にナチュラルに。言わば天然。

あのねえ、“天然の誘惑”ほど恐ろしいものはない。

この娘らはねえ、キャミソールの肩ひもをずり落としたり、「あたしはいいと思うよ」とか言ったり、「新しい水着買ったの」とか「いま授業中。ねむい」とかメールよこしたりしやがるんですよ(最後の方は映画と関係ない)。狙いもなく“男心をくすぐる”ようなことを平然とやりやがるんですよ。
魔性だ魔性。
こっちはある程度経験を積んでるから、見え隠れする“意図”や“狙い”で引いちゃったりすることもあるんですね。ところが天然はそれが見えないからやっかいなんだよ。いや、やっかいなんじゃない。下手に経験積んでる分「狙いがない=本心」と思っちゃうんだよ。
もうねえ、可愛くってしかたがない。いや、そうじゃない。
そのくせ突然音信不通になったりするんだ。アーッ!ってなるよ、アーッ!って。このアは濁点がついてるやつね。
悪魔だ悪魔。エロイムエッサイム、エロイムエッサイム。
それでいて、「え?なに?あの時のあれ、なんだったの?」なんて詰め寄ろうもんなら、「え?分かりません。分かりません。。。」とか言いやがるんですよ。いやまあ、さすがにこの歳で詰め寄ったりはしませんがね。根底は同じですよ。だって天然だからね。本当に分からないんだよ。
悪霊退散!

えーっと、何の話だっけ?

妹ちゃんが憧れの先輩から“ウザい”と思われる所から物語が始まると書きましたが、その後まもなくあおいたんの旦那は「ウザい先輩」と明示され、やがて彼は彼女を“ウザい”と思い始め、妹ちゃんは姉の彼氏を“ウザい”と思う。
この「三角形」は“一方通行の想い”と“ウザい”という辺で構成されているんですね。

そして、しばしば携帯電話でコミュニケーションを取るわけですが、この映画ではほとんどカットバックしなかったと思うんです。
つまり、携帯電話で話す一方のみを写し、相手の表情が見えないんですね。
まさしく“一方通行のコミュニケーション”を映像として表現しているわけです。

また、携帯電話を駆使する一方で、直接対面した際には“本音”を吐露していないようにも見えるのです。
予告から勝手に「モゾモゾする映画」だと思っていたら、意外に壮絶な展開を迎える「痛い映画」だったのですが、壮絶なやりとりは直接対面1対1じゃない。携帯電話越しか2対1なんですね。

「ウザイ」と「ケータイ」。
これは単なる男女間の物語だけではなく、コミュニケーションに関わる物語ではないかと私は読み解きます。
そして、若い娘の“天然の誘惑”は悪魔の所業だという映画です(<結局そこか)。

2010年6月26日公開(2010年 日活他)

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