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華麗なる一族



監督:山本薩夫/CS(再鑑賞)/★4(72点)本家

2011年に再鑑賞。近年の山崎豊子原作の映像化との決定的な違いは、“群像劇”と圧倒的な“黒”さ。そして時代の“面がまえ”。
日本映画界きっての社会派大作監督=赤いセシル・B・デミルと呼ばれた山本薩夫絶頂期の一作。

「華麗なる一族」に限らず山崎豊子の作品の多くは映画やテレビで映像化されているが、多くの場合、人物伝というか主人公の波乱万丈の人生に焦点が当てられているように思う。
しかし、山本薩夫の視点は主人公に寄り添うことはない。
山崎豊子の原作自体がどうかは知らんのだが、山本薩夫は“群集劇”に仕立てているように思える。
おそらく、“波乱万丈の人生”よりも“大きな圧力に翻弄される人生”という切り取り方をしているのではないだろうか。

山本薩夫の視点は主人公に寄り添わないと書いたが、周辺の登場人物にも中途半端な優しさを見せない。
黒い。徹底して黒い。
それを支えているのは、役者たちの“面がまえ”だと思う。
実に適材適所で役者を配置している。
私は『金環蝕』の方が好きなのだが(原作は石川達三だが)、これも黒くて、役者の面がまえがいい。
これはある意味“時代”の産物なのかもしれない。
私ももう昭和より平成の方を長く生きてしまっているが、子供の頃にニュースで見た昭和の政治家の姿がこの映画にはある。だが、山本薩夫以外の(特にテレビドラマの)山崎豊子作品で昭和の“臭い”を感じられたことは一度もない。

余談

古今東西最強女優の中の最強女優=京マチ子の最強女優っぷりが遺憾なく発揮された作品で、京マチ子最強女優伝説の中でもかなり上位に入る部類ではあるが、難を挙げるとすれば、最後は“女”になって敗者側になるんだよなあ。ただ、感情的になって小切手を破り捨てたりはしない。さすが京マチ子。

(1974年 東宝)

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