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阪急電車 片道15分の奇跡

阪急電車監督:三宅喜重/ユナイテッドシネマとしまえん/
★3(62点)本家公式サイト

テレビ的ではあるが、とても上品ないい話。拾い物とも言えるし、もったいないとも言える。安めぐみのキャスティングは絶妙。
えー、製作委員会じゃなくて東宝が単独で制作せにゃいかんのじゃないのかい?阪急と東宝は身内なんだから。
なんてことはさておき、岡田惠和脚本じゃなかったらまず観ないジャンルの映画。いずれにせよ岡田惠和は映画じゃ結果を残せてないんだけど。山田太一と一緒。
そもそも岡田惠和の脚本はダラダラした話が魅力だから、映画向きじゃないんだ。
あ、でも谷村美月と勝地涼のクリスマスのクダリは岡田惠和ぽかったよ。

この映画の「拾い物感」と「残念感」はキャスティングにも見え隠れすると思うんです。

あの設定の女に安めぐみを配したのは絶妙。ああいう女の代表格みたいなタレントだもんね。
中谷美紀は中谷美紀らしい中谷美紀だし、宮本信子は『マルサの女』なんだからあのくらい当然だし、谷村美月だって『カナリア』なんだから洗練されてない感じで当然だし、勝地涼に至っては『亡国のイージス』なんだから軍ヲタで当然なんだよ。

だけど玉山鉄二は違うな。いい男過ぎる。親しみやすいキャラ設定なら、そうさなあ、中尾明慶とか濱田岳とかの方がハマるのに。戸田恵梨香だってブラザー・トムの息子なんぞにダマされるバカ女には見えないんだよ。

この映画の「残念感」は、宮本信子の大立ち回りを中途半端に処理する所とかにもあると思うんですよ。見せるなら見せる。見せないなら見せない。
回想の入れ方一つとってもイマイチ映画的じゃない。
画面や台詞で描写した以上の背景を感じられるものがない。

でも話はとてもいい。

「(受験のために)頭がおかしくなるくらい勉強した」と言う。努力は恥ずかしいことじゃない。
泣きたい時は泣けばいい。怒りたい時は怒ればいい。討ち入りしたい時はすればいい。
でも引き際も重要だ。
この映画は、というかこの話は、そんなことをやりすぎずくどすぎず上品に教えてくれる。

電車の乗客全員が拍手喝采したりしないところもいい。
何かすごく大きなハッピーエンドじゃなく、友達もいないような女に男を寝取られた女がちょっとした友達ができそうな所で終わるのもいい。
上品な話だ。

4月29日公開(2011年 東宝他)

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