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崖っぷちの男

崖っぷちの男監督:アスガー・レス/新宿バルト9/
★3(50点)本家公式サイト

面白いんだけど、雑。
いきなりナンですが、観た人にしか分からないことを書きます。有り体に言えばネタバレです。ご注意を。

爆破してビルに侵入するじゃないですか。その時、野次馬の喧騒で爆発音が聞こえないということらしいのですが、ホントかよ?ってツッコミはいいとして、それならその「喧騒」をちゃんと描写しないといけないと思うんですよ。
「うるさくって隣の人の声も聞こえない」って描写を一つ挟むだけで説得力が全然変わるんです。
せっかくTVリポーターがいるわけですから、「うるさくって中継できない」って描写をほんの1カットはさむだけでいいんです。映画のリアリティーって、そういうことだと思うんです。

また、この映画は思ったほど痛快感がないんですが、それは根本的に脚本の“肝”を間違ってるからだと思うんです。
この話の肝は「どうやって金庫破りをするか」ではなく「どうやってダイヤを白日のもとに晒すか」なんですよ。
だから、エド・ハリスがダイヤを持ち出すのは“偶然”じゃなくて“必然”でなければいけないと思うんです。
そしてそのダイヤを主人公が持ち歩く必然性もない。あんな重そうな物、落とすじゃん。目的は「手に入れる」ことじゃなくて「白日のもとに晒す」ことなんだから、他に利口な(そして痛快な)手段はいくらでもあったろうよ。何のために協力者がいるのさ。
そもそもどうして金庫にあると思ったの!?って所も雑なんですが、いろんなことが必然性でなく偶然に支えられている雑さが目立つんです。

例えば、弟が何やら工具を落とすでしょ。「ま、いっか」って一過性のギャグ(?)で終わらせますけど、この手の映画の場合、伏線に使用しないならそんな場面は入れるべきではない。工具を落としたせいで後々ピンチになるという“必然性”がない限り、丸々カットしていい。というか、カットしなきゃいけない。

さらに余計なことを書きますが、弟の彼女のスパニッシュ美女が無駄に着替えますけど、特に変装して侵入したわけでもなし、そこで着替える必然性がない(まあサービスカットなんでしょうけど)。最初から着替えて侵入すればいいのに、無駄に荷物が増えるだけだよ。
それに、そんな服まで用意して嫌がる彼女を説得したり応援したりしますが(たぶん彼女は閉所恐怖症なんでしょう)、このビルに侵入する際は「家族の問題だから君は来なくていい」と言うとったじゃないか。もう、脚本メチャクチャ。

そもそもさ、いやあ、こんなこと言っちゃいけないんだろうけど、そもそもさ、崖っぷちに立つ必然性はあったの?

日本公開2012年7月7日(2012年 米)

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