はっきりキッパリ正直に言うと、私はホウ・シャオシェンが苦手です。避けて通ってる監督で、このまま避けて通りたい監督です。
年をとって少し味覚が変わってきたところに、たまたま名画座二本立てで観る機会があったので思い切って鑑賞。
今さら言うまでもないけど、なんて美しい撮影なんでしょう。
リー・ピンビンの撮影は他にも観ているからどれも美しいことは知ってるんだけど、この映画は格別に美しい。正直、話は特別どうということはないが(強いて言うなら、監督の思い入れを過剰になり過ぎず、独りよがりになり過ぎず、台湾の因習と絡めて上手く消化している)、とにかく映像の美しさに目を見張る。
理由の一つとして考えられることは、舞台が台湾だということ。
台湾人のリー・ピンビンにとって、美しい風景を皮膚感覚で美しく捉えられたのではないかと思う。
もう一つの理由は理屈じゃない。映画の神様が舞い降りた。たぶん、そうに違いない。それくらい奇跡的に美しい映像。
(1987年 台湾)
comments