楽しかったんですよ。小松菜奈と清野菜名のWナナがワチャワチャしてるのを観てるだけで楽しい。さすがにそろそろ女子高生は無理があるような気もしないじゃないけど。山本舞香って子も良かったし、我らが眼鏡っ娘ナバタメこと松本穂香もね。
時々いい画面があるんです。何故か『世界から猫が消えたなら』『帝一の國』と観ている監督ですが、CMディレクター出身だからか、いい画面の瞬間が度々ある。
あ、撮影は市橋織江だ。いまだにフィルム使う写真家なんだよ。仕事を依頼するのしないのって話があって覚えてる。なるほど、葵プロ製作だもんな。
でも、お話しとしてはどうなんだろう?
まず、「この人の魅力は私にしか分からない」という盲信感がない。
恋愛要素に比べて、陸上も小説家も、それぞれの背景を描く比重が多すぎる(ベタに描きすぎる)。
もし恋愛要素よりもそれぞれの夢の方がメインテーマなんだったら、もっと掘り下げるための周辺人物が必要だと思う。陸上ならコーチとか顧問先生とか、小説家ならその夢で泣かせた別れた奥さんとか。
要するにどっちも中途半端なんですよ。
それと、気持ちの揺れが少なすぎる。この設定なら、男がやっとその気になったら女の気が変わってしまったとかね。吉田恵輔の『さんかく』なんかが例。
あとオッサンからしてみたら女子高生は“女”じゃないんですよ。異性物もしくは怪物。山内ケンジの『友だちのパパが好き』なんかがいい例。
そういった意味では、大泉洋側に視点を移さなければよかったんですよ。徹底して小松菜奈視点で押し通せば、もうちょっと面白い話になったろうに。
話として良かったのは、本を勧めなかったこと。好きな場所が図書館ってもは狙いすぎて嫌だけど。
短編小説(短編マンガ)くらいがちょうどいい話だったんだと思う。
でもやっぱりね、圧倒的に小松菜奈のツンデレっぷりがたまらないんですよ。それをウヒウヒ観る映画。
2018年5月25日公開(2018年/日)
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