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アンダルシアの犬



ダリにとっては必然であり、ブニュエルにとっては後の免罪符となる映画。

監督:ルイス・ブニュエル/UPLINK吉祥寺/★5(90点)再鑑賞→(本家

まず1928年の映画だということを頭に入れねばなりません。
1920-30年代はシュルレアリスム運動が盛んだったそうです。

門外漢なので詳しくは知りませんが、今日で言う所の「シュールだねぇ」というのとは少し違ったようです。
夢の世界を描いた表現がシュルレアリスムで、そのため物語とか現実といった論理性の否定に繋がり、結果として不条理なものになる。それは哲学的思考であり、芸術ばかりか個人や日常の意識革命、ひいては政治的・社会的革命の思想へと向かったそうです。
日本で言えば大正から昭和初期、世界的には2つの大戦の合間というこの時期、ほぼ時を同じくしてドイツ表現主義があったことも興味深い。

そう考えると、シュルレアリスム運動に身を投じたサルバドール・ダリが、当時まだ表現媒体として新しかった映画に目を向けたというのは、ある意味当然というか、必然だったんだと思います。

じゃあブニュエルにとってこの映画は何だったのか?と考えてみると、結果として後の免罪符だったんじゃないかと思うのです。
不条理な映画、神経を逆なでするような映画を撮っても、「あの『アンダルシアの犬』の監督だからねぇ」ってことで許される。
もっとも、次作『黄金時代』は50年間上映禁止になるしフランコ政権下で指名手配までされるけどね、ブニュエルは。免罪符になるのは、もっとずっと先のお話。

今となっては映画としての評価は難しい映画ですが、大学生の頃に初めて観た衝撃を忘れずに星5。



(1928年/仏)

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