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アメリカン・アニマルズ



でしょうね。


監督:バート・レイトン/新宿武蔵野館/★2(32点)(本家/公式サイト

ドキュメンタリー畑の監督だそうですね。劇映画にドキュメンタリーの手法を持ち込んだというより、ドキュメンタリー畑の人が劇映画に手を出したということなんでしょうな。実は観ている間、過剰演出が気になって引いてました。劇映画が不慣れだったんだと思うと、それも納得がいきます。ぶっちゃけこの映画、下手だと思うんですよ。

まず、この映画の宣伝文句が言うところの「クライム・エンタテインメント」には全然なっていない。
だって、観客誰が見ても「失敗するよね」って分かるずさんな計画を見せられて、結果「失敗しました」と言われたところで、「でしょうね」という感想しか出てこない。天才ハリウッドザコシショウ風に言えば「でさぁ〜ね!」

この映画の登場人物たちは『レザボア・ドッグス』や『オーシャンズ11』を引用しますが、この監督は『狼たちの午後』や『ファーゴ』から「クライム・エンタテインメント」を学ぶべきだったんです。少なくとも、エンタテインメントと過剰演出はイコールではなく、むしろリアリティを殺してしまうことくらい気付いたでしょう。

そのくせ本人達を登場させる(これはセカンドレイプじゃないのか?)。
百歩譲って、そこにリアルを求めたのはいいとしても、実は本人の言葉で語られる以上のものが何もない。つまりドキュメンタリーとしても底が浅い。

「今の若者は、何か特別な者にならなきゃいけないという社会の風潮、プレッシャーの中で生きている」と、監督はこの映画のテーマについて語っています。
でしょうね。実際、映画の登場人物が言ってましたもんね。

「自分たちも失敗すると分かっいた」「でも、どこかで止まると思っていた」という考え方がこの事件の異質な点だと監督は感じたそうです。
でしょうね。実際、映画の登場人物が言ってましたもんね 2。
(それって太平洋戦争と一緒だな。むしろアメリカ人はそれがやっと分かったのか)

自ら話す言葉が結論だったら、第三者がドキュメンタリーを撮る意味はないんですよ。登場人物たちも気付かない“何か”(それは時として演出家にすらコントロールできない)が浮かび上がってくるからドキュメンタリーは面白いんです。これだったら手記で充分。手記を素直にドラマ化した方がいい。
もうね、「種の起源」だとか『アメリカン・アニマル』だとか、暗喩も安いんだよ。

リアルが正解だとは限らない。劇映画(あるいはフィクション)だから見えてくるテーマもあるんです。
あんまり劇映画をなめないでほしいな。



日本公開2019年5月17日(2018年/米=英)

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