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架空OL日記



これが、バカリズムのやり口。


監督:住田崇/TOHOシネマズ日比谷/★4(78点)本家公式サイト
元々バカリズムがバカリズムであることを隠し女性になりすましてOLの体(てい)で書いていたブログを、実写化するに当たって主人公のOLをバカリズム自身がさして女装もしないまま女役として演じる。

非常に倒錯している。

向田邦子賞をとったドラマの映画化だが、「ファン感謝祭」に陥らず、なんならドラマを観る必要は一切なく、映画だけできちんと完結してる。それでいてドラマファンにだけ分かる仕掛けも多数ちりばめられている。あのハロゲンヒーター、一度本当に壊れたんだよ。

非常によくできた劇場版。

上述したブログスタートの企画だったから「架空OL日記」であるものの、それを知らずに実写だけ観たら何故「架空」?ということもきちんと回収する。
さらに、日常という「ケ」の断片を積み重ね、最終的に結婚式という祝祭で「ハレ」へ移行する。その結婚式というサビの直後に「大サビ」が待っている。

非常によくできたストーリーテリング。

「架空」って逃げを打ちながら、「OL」という記号に関する「妄想」を描く。
私はこれを「OLのイデア」と呼んでいますが、「あるある」と「そんな呑気なスチャラカOLいねーよ」のさじ加減というか、ガチじゃないリアルさが笑いを呼ぶんだと思います。
冒頭に「倒錯している」と書きましたが、OL升野英知が「あるある」と「ないない」を体現しているのです。

中でも特に感心したのが、登場人物(主要キャスト)の距離感。
確かに彼女たちは「仲良し」ですが、完全一致の「同類」ではないんです。親友の夏帆ちゃんですら、フィットネスクラブでは別世界の人になる。この距離感はガチリアル。

こうしたいろんなことを総合して一口に言うなら、バカリズムの才能とか巧さとかセンスとかじゃなくて、「バカリズムのやり口」。いやー、笑った笑った。

余談

まったくもって楽しい女優陣だった。
山田真歩は観る度に山田真歩と書くようにしている。特に理由はない。なんだか山田真歩って言いたい。
夏帆ちゃんとブルーアワーにぶっ飛ばしていたシム・ウンギョンとか、ゾンビが来たから人生見つめ直した石橋菜津美とか、楽しくって仕方がない。
小野寺課長=坂井真紀をいまだにドラマ「お茶の間」(93年)の役名「プー」と呼んでいる私は、おそらく佐藤玲を一生「サエちゃん」と呼ぶだろう。



2020年2月28日公開(2020年/日)

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