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タイガー&ドラゴン

脚本:宮藤官九郎/TBS・連ドラ/★5公式サイト

このドラマ自体が「落語」という秀逸で壮大なファンタジーだった。

今年1月に放映されたスペシャルドラマ「三枚起請」の回の続編として作られたTBS系金夜10時の連続ドラマ(4/15〜6/24放映)。

放映直後から、夏目房之助が「見逃した」とblogでジダンダ踏み、糸井重里は「ほぼ日刊イトイ新聞」で長々と論評(無駄話)するという驚異の業界受け。高齢化社会に伴い無意味と化した視聴率を置き去りに、オリコンのドラマ満足度ナンバー1に輝き、落語を知らない中高生の間で落語本が飛ぶように売れ、敬愛するコメテというかブロガー・ホッシーまでもが称賛したドラマ。マジで面白いって。

『真夜中の弥次さん喜多さん』で「青春物に一区切りついた」というクドカンが今回見せたのは、一見オーソドックス(でもないけど)な家族物。
笑いあり、涙あり、このドラマ自体が「落語」というファンタジーだったのだ。

 第1話「芝浜」
 第2話「饅頭怖い」
 第3話「茶の湯」
 第4話「権助提灯」
 第5話「厩火事」
 第6話「明烏」
 第7話「猫の皿」
 第8話「出来心」
 第9話「粗忽長屋」
 第10話「品川心中」
 最終話「子は鎹」

各話のタイトルを見ると、分かる人は分かるように、落語の演題である。

その落語の内容とドラマ内のストーリーがリンクし、さてそのストーリーの結末がどうなったかというと・・・というのはクライマックス=高座で話される。落語の下げとストーリーのオチが見事に一致して毎回終わるというパターン。

「テンドン」という笑いの形式まで使って、クドカンは自らパターンを早々に作り上げる。
その自ら組み上げたパターンを次第に崩し始める。テンドンを逆手に取った高度なギャグ。
そして最終回は、なんとビックリ、スペシャル版の冒頭のエピソードを下げに使う。
それまで、浅草と裏原宿、ヤクザと落語、こうした二律背反の公式を次第に融和させた挙げ句、最後の最後で、冒頭と結末をつなげてしまった強引な手腕。
これによって物語は壮大な一つの「和」となり、完結するのだ。

いや、そんな難しい話は抜きにしても、マジで面白いって。
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