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パンズ・ラビリンス




監督:ギレルモ・デル・トロ/新宿ガーデンシネマ/★4(78点)
本家goo movie公式サイト

血が繋ぐ物語。幻想よりも迷宮の現実。
『ミミック』『ヘルボーイ』でお馴染みの特殊メイク畑出身ダークホラーの鬼才=ギレルモ・デル・トロ。
裂けた口を縫うシーンなんて正面からワンカットで描く必要ないでしょうよ(笑)。

このメキシコ人監督をプロデュースしたのが同じくメキシコ人の映画監督アルフォンソ・キュアロン。
どうしてメキシコ人がスペイン舞台で?と言いたい所ですが、スペイン内戦(映画は内戦後の設定)は端的に言えば右派と左派の戦いで、最終的に勝って政権を取った右派を支援したのがドイツとイタリア(要するにファシスト)、破れた人民戦線(映画ではゲリラ側)を支援していたのがソ連とメキシコ(要するに共産党)。メキシコの公用語はスペイン語だし(元々メキシコはスペインの植民地)、メキシコ人には意外となじみ深い素材なんでしょうな。よく知りませんが(<知らんのか)。
歴史のお勉強以上。

この映画は執拗に“血”が出てきます。
ホラー映画だから、ではありません。物語の重要な要素として“血”が登場します。
王国への扉を開くのは「無垢なる者の血」ですし、病の母を治癒するために用いられるマンドラゴラには2滴の血が注がれます。少女は母と仕立屋の父を失い唯一の血縁の弟を守ろうとし、一方大尉は己の血を継ぐ息子に執着します。そして地上では、あまりにも無駄に血が流されるのです。

ミクロ的に見れば、赤ん坊の“血”が少女と大尉の接点となる(そして、それを巡るストーリーがクライマックスという正しいドラマツルギーである)。
マクロ的に見れば、無垢なる者の“血”がこっちの世界とあっちの世界の接点となる。
では地上で流される血は何だろう?

もしかするとこの映画、「現実世界こそが迷宮」と言っているのかもしれません。

日本公開2007年10月6日(2006年 メキシコ=スペイン)

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